始まってしまった。

大地に根を張って生きる

ボジョレー解禁で今年もそんな時期かと思う。アラフォー独身男の一年は早い。4月に草刈り中に発見した木の芽をつまず、庭木の下にそっと植えておいた。仕事が忙しく何個か目の台風が過ぎ去ったある日にふと思い出し、気になって見にいったらいつの間にやら50cmくらいまで伸びていた。都会生活が長くガーデニングの類には一切興味もなかったが、茨城の郷里に帰ってきてからは日々だんだんと生活のリズムなどが風土の影響を受けたのか変わっていくのを感じる。それにしてもこれは一体何の木か?最初ツバキだと思った。玄関前に植わっていたのだが、建物の増築工事の邪魔になって去年伐った。種で増えたその子孫だろうと。ネットという便利なもののおかげで、葉の特徴から似たような木の画像を探し出し、どうやらトトロの木と判明。三行脈の付け根にダニ室というものがあるのが決定打に。すこし葉をちぎって香りを嗅ぐと、何とも言えないスーっとしたよい香りがする。それから木や草花についてあれこれ調べるようになり、気がつくと植木を買い込んで庭のあちこちに植え始める始末、、。我ながら火がつくとやることは早い。こうしてにわか庭師の誕生である。10月は私の誕生月なのだが、人間は自分の生まれた時の季節が最も心地よく感じ、能力も最大限に発揮するという。道理でね。仕事も趣味も目一杯やってまったく苦痛でなく、むしろ楽しい。この木も広々とした庭の真ん中に植え替えてやった。成木は高さ30mに達し樹齢は800年に及ぶものもあるという。普通の家庭ではまず植えないらしい。幸いスペースだけならある。隣地まで優に10m〜20mは離れており、当面は万が一倒れても届くまい。落ち葉が雨樋をふさいで苦情が来ることもなかろう。その高さになる頃には私はとっくに還暦を過ぎているに違いない。持て余したらプロの庭師に剪定してもらう奥の手もある。そのための貯金を今からすればいいのだ。ここは思い切って育ててみようではないか。なるべく限界まで自然樹形のまま剪定せずのびのびと。お隣さんと同じ木ばかりでも面白くない。この住宅地でよくやってくれたものだと他人が呆れ返って仰ぎ見るような庭があってもよいではないか。クスノキ科の植え付け本当は5月が適期なのだという。しかし私にはなぜか根拠のない確信があった。やるなら今だと。エルニーニョの気配を予知していた。どうやら発生確率が高いのを知ったのは植え替えが終わった後である。この木は増築工事も終わって更地になった荒地の庭に一番に生えて来た芽であり、何か私には運命のようなものを感じるのだ。