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外装研磨サービス内容改定のお知らせ

日ごろはアトリエ・ドゥをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。

さて、このたび外装研磨サービスについて次の通りサービス内容を変更させていただきますのでご案内いたします。

【変更前】

  • 外装研磨サービス  “フルポリッシュ” → 廃止
  • 外装研磨サービス “ライトポリッシュ” → 廃止

【変更後】

  • 外装研磨サービス “手仕上げ”  新登場

 

以前より実施しておりました、外装研磨サービス “ライトポリッシュ” “フルポリッシュ” につきましては、お申し込みになるユーザー様にてそれぞれのご希望コースのポリッシング実施のご選択をいただいておりました。しかし、それぞれのコースの実施可否について、コース選択が不適当であるもの、実施が困難であるものなどが数多く散見され、ユーザー様側にてお申込み時にふさわしいコースのご選択およびご判断をいただくことは難しいことのようであることがわかりました。

このため、外装研磨サービスは希望選択制ではなく、一律にひとつの外装研磨サービス “手仕上げ” に一本化し、仕上がりのご希望や作業に応じて、当工房にてそれぞれの実施サービス内容に見合った見積もり価格を出す方式に変更させていただくこととなりました。このため、最低価格は従来のフルポリッシュ・サービスを踏襲し、¥5,000〜とさせていただきます。目安としてクロノグラフなど複雑な構造の時計の外装研磨サービスは¥10,000〜となります。

今後とも引き続きアトリエ・ドゥをよろしくお願い申し上げます。

 

見積手数料制を導入しました

お客様各位

日ごろはアトリエ・ドゥをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。

さて、このたびアトリエ・ドゥでは見積もりについて、時計1つにつき¥10,000の手数料をいただく運びとさせていただきましたので、ご報告させていただきます。

なお、詳細については下記ページを合わせてご参照ください。



以上につきまして、なにとぞご利用の皆様のご理解を賜りますようお願い申し上げます。

今後ともアトリエ・ドゥをよろしくご愛顧くださいますよう、宜しくお願いいたします。

アトリエ・ドゥ代表

新コース『全ておまかせプラン』の創設

日ごろはアトリエ・ドゥをご利用いただきまして、誠にありがとうございます。

さて、このたびアトリエ・ドゥでは新コース『全ておまかせプラン』を創設しましたので、お知らせさせていただきます。


  • 『全ておまかせプラン』について

近頃、オークションなどで中古品を入手され、当工房に修理をご依頼いただく案件が非常に多くございます。しかし、状態は実にさまざまで、オーバーホール実施のみで直るものから、ほとんどジャンク品に近く修理不能なものまでいろいろです。

ひとくちにアンティークと申しましても、形見のようにその家で大切に保管されていたものと、オークションなどで得体のよく知れない経路をめぐってきたようなものとでは、時計の状態にも雲泥の差があることも多く、いつも頭を抱えております。

当工房のブログなどで修理の実例などをご参考にされて、「同じ時計だから大丈夫だ」とお思いになって申込みされるお客様も多いのですが、我々プロから申し上げますと、同じ時代ないし同じ形式のムーブメントであるから、同じように直る、などというのは全く根拠もない勝手な妄想と言わざる得ません。

時計の状態は実にさまざまです。オーバーホールのみで直った実例をブログでご覧になられて、お手元のジャンク品に近いようなものを、同じ費用で直ると思ってしまう方が後を絶ちません。見積もりを出して、金額を見てビックリされ「やっぱりやめます」という方もとても多いです。

アトリエ・ドゥでは見積もりは無料で実施しております。しかし、裏蓋をあけた瞬間に、ほとんど分解しなくても状態がわかるほど良好なものから、隅々まで全部分解しないと本当のところが分からないようなものまで、こちらも様々です。後者の場合は見積もり作業だけでもたいへん時間も手間もとられます。

しかし、そんなジャンク品に近いような分解するだけでも難しい(下手に分解するとそれだけでさらに壊れることもあります)ようなものを、正しい見積もりをすべく必死になって分解して、不良箇所を特定し、手に入るかどうか分からないようなパーツを皿の目のように検索を駆使して世界中から探し出した挙げ句、次のひとことが返ってきたらどうですか?

「やっぱりやめます」

あー。冗談ではございません。そんな軽いお気持ちだったのかと。それはまあ、ご予算というものがありますでしょうから、無理ならキャンセルOKです。そのつもりでアトリエ・ドゥでは見積もりは無料にしております。

でも、商売としてこれではどうなのかと思うに至りました。

汗水たらした時間=コストです。それが無駄に消えていく。これはなんとかしなければ。その同じ時間を対価を払ってご依頼してくださるお客様のために使いたい。半ば高みの見物気取りのような方には、なるべく貴重な時間を私としてもさきたくありません。

その一方で、「いくら払ってでも、直したい」という方も、非常にごくまれですが、需要として確かに存在しているということも見えて参りました。

そこで、物見遊山のような軽いお気持ちの方には申し訳ないですが、より熱く本気度の高いお客様に、予算に糸目をつけず最高のサービスを提供すべく、この度の新コース設立と相成った次第でございます。

以上のような背景で、【ジャンク品でも実働品に甦る】をキャッチ・フレーズに、それこそ予算や手段を選ばず、私個人として本当の意味で可能なことは全て提供する、正にハイエンドのサービスを提供開始するということです。

ジャンク品をどうしても直したい場合の方法はひとつしかありません。

まったく同じ型番のムーブメントで動くものを見つけて来て、中身をそっくり取り替えてしまうのです。邪道もへったくれもありません。キレイ言はもうたくさん。散々いい訳を聞かされた挙げ句、「うちでは受付できません」と言われたら、ショックじゃないですか。

でも、予算や方法は問わないから、とにかく動くようにして欲しい、というご要望に対しては、最終手段であり、有効な修理方法です。

実際のところ、他のムーブメントから部分的にパーツを抜き取って修理する、という方法は決して当工房に限ったものではなく、広く世界的に昔から修理の現場で行われている方法です。私が昔修行した、御徒町の某有名修理専門会社でも、それは普通の当たり前のこととして、日々行っておりました。そこには棚がびっしり、引き出しの中には小分けされたパーツやジャンクムーブメントが、古今東西どこのメーカーの何と言うマイナーなものであれ、およそ全てストックしてあるのではないか?と、素人の想像を絶する膨大なコレクションが眠っておりました。(その店は、「この店で直らなければ、日本中どこへいっても無理」と時計ファンに言わしめるほどの評がありました)

そんな有名店ですら、そうやって直しているのが実情なのです。見て来た、実際に従業員としてメシ食わせてもらった私が言うのですから、間違いありません。

ここまでお話してお気づきのように、メーカー年式問わず、どんなものでも直すためには、そういう途方も無いストックが必要だということがお分かりになったと思います。

そして、その会社の社長さんは時計修理の職人としても一流の方でしたが、経営者としては少し問題のある方でした。それほどの膨大なコレクションを使って修理をしておいて、交換パーツ費用をほとんど取らないのです(!)顧客の目からみたら、神様のような方です。(しかし、実態は大赤字で経常利益はほとんどない会社として問題のある店でした)

とても真似できません。真似したら倒産して路頭に迷います。その社長さんは十分な修理人生を歩んで来られ、得る物はおよそ全て得てきたから、そんなやり方ができるのです。創業したてのアトリエ・ドゥでは到底無理な営業スタイルというわけです。

しかし、技術で負けているとは思いません。(私もかつてその一員だったわけですから笑)経験と地力で負けます。それだけが違います。必要なムーブメントは都度ebayなどの海外オークションで入手しなければいけません。そのお代はお客様もちです。抜き取った余りはアトリエ・ドゥに寄付して使わせてください。いずれ必ず恩返しさせていただける時がまいります。(私も社長のような70〜80代ゴールデンエイジとなった頃)

そういうサービスですので、ご予算10万円からとさせていただきます。(が、その実ちっとも手取り収入の増加にならないサービスだということがお分かりになると思います。予算のほとんどは、次にいつ使われるかもしれない金属のかたまりとなって、延々アトリエ・ドゥの引き出しに眠るというわけです)

 

この趣旨にご理解・ご賛同いただける熱い時計ファンのご利用をお待ちしております。

アトリエ・ドゥ代表

 

サビ取り等も特別料金化します

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時計の中の状態は、裏ブタを開けてみなければ分かりません。

ご覧のように、分解すれば中は赤錆びや緑青だらけになったパーツが出て来ることは、決して珍しいことではなく、とくに古いアンティーク時計ほどそれは顕著です。

ところが、我々人間にはどういうわけか『見ぬものきよし』で、時計等も外側がキレイであれば、きっと中身もキレイに違いない、と何の根拠のないまま勝手にイメージをふくらませて、自分の理想の偶像をつくりあげてしまう習癖があります。(『フタをあけてみたら、、』とは、まさにこのことです。)

動いているから、「きっと」大丈夫。

ピカピカだから、「きっと」大丈夫。

○○だから、きっと大丈夫。その、「きっと」が曲者です。実際には裏ブタを開けてみない事には、外見や動作だけでは判断できないもの。それがサビです。

特に近年はオークションなどで、古い時計が再び日の目を浴びて世間に再流通する機会も増えています。ところが、なかには時計の外装など外側だけを磨いたり、ベルト交換して見栄えを整え、中身の機械はそのままで手入れされていない時計を、上手な写真撮影スキルと売り文句で高く売り逃れるような悪徳業者や個人も増えています。(ウェブページだけは大手専門店並みに立派だけど、よく考えたら名前を聞いた事のないような店は特に注意)そういう時計は私のような修理の専門家が中をみれば一発で分かります。

それはさておき。

そういう時計は、普通にオーバーホールして満足に動くかというと、動きません。オーバーホール直後は動いていても、半年も経たないうちに時刻が狂い出したり、頻繁に止まってしまったり、不具合のオンパレード製造機と化します。原因はホゾの摩耗であったり、サビであったりします。ただ洗浄して組んで注油するだけではダメなのです。。

そこで、上の写真のようにサビなどはキレイに落として、適切な処理が必要になるわけです。パーツなら再加工したり研磨し直したりなどの修正をします。

この作業、実はたいへんな労力と手間がかかります。

ただ力任せに削ればいいというものでもなく。削れた部分がケースであれば、防水性を気にしなければいけませんし、歯車などのパーツであれば削ってしまってサイズが小さくなったがために、かえって動きに支障が出たりします。かといって放置すればサビが進行してどちらにしろ動作に問題が出ます。錆びたパーツを見た日が年貢の収め時ではないですが、退くも地獄なら進むも地獄、時計師にとってはどうにも頭を抱える瞬間です。

パーツ交換できれば話は簡単なんです。

おおむね1990年代以降の機械式時計ブームに乗って広まった多くのブランド時計などは、ETA 社のムーブメンドが搭載されています。こういうものは、交換パーツが比較的容易に入手できますから、あとはご依頼主が交換パーツ代にOKさえ出してくれれば、ポンと換えておしまい。楽チンです。

問題なのは古い時計です。

60年代〜70年代頃を中心に、いわゆるクォーツショック以前の機械式時計黄金期に作られたものが、この「古い時計」に該当します。この時期かそれより以前に作られたものは、年代が古くなれば古いほど、交換用パーツは得にくくなります。ほとんど市場には残っておらず、枯渇しております。たまに未開封のパッケージ入り交換パーツがオークションに出回ると、ETAの同等品の10倍以上の価格だったりします。(それでもモノによってはあっという間に売り切れます)

パーツが手に入らなければ、残された道は2つしかありません。修正してなんとか再利用するか、パーツそのものを作り直す(別作)かです。いずれの方法も難しい場合は、残念ながら修理不可となりご返却させていただくことになります。

(↑ここが時計師の腕の見せ所です。パーツ換えるだけなら見習い君でもできます。しかし、パーツの補修でオリジナルと同等のクオリティや役目を果たすには技術が要ります。これは一般にはあまり知られていません。店選びを間違う人は、このことに気づいていません。)

これまでは、パーツを修正して再利用する場合はオーバーホール料金に含まれる作業として取り扱ってきました。そのため、交換パーツが枯渇して手に入りにくいアンティーク品ほど、高い技術と労力を提供しているにもかかわらず、実質的にオーバーホール料のみで修理代が済むという状況でした。

しかし、思ったより60年代〜70年代の古いアンティーク時計の修理需要は大きく、現行品をパーツ交換するよりもユーザにとって実にお得ですから、当工房には次々と古い時計の修理依頼が舞い込みました。中には安易にオークションで入手したものを、まるで交換パーツに事欠かない現行品と同じように簡単に直ると信じて疑わないような、「おじちゃんなら直せるよね??」的な純真無垢な子供の目で見られている錯覚に囚われるご依頼も少なくなく、、、。

いいえ。無理なものは無理です。(泣)

数がもっと少なければ、営業努力でカバーできなくもないのですが。こうも古い時計のご依頼が多いとなると考え直さざる得ません。パーツ交換で済む現行品のオーバーホールと比較すると、たいへんな労力と時間がかかる割に儲かりません。それではうちはつぶれます。今は大変に厳しい時代です。好むと好まざるに関わらず、利益をあげられなければ即退場です。職人の気概や意気込みだけで生き残れるほど甘くありません。諸事情を勘案しまして、決断します。ご利用のユーザ様方にも知っていただきたく。分かりやすく、古いものやサビてるものは大変なんですよと。

現行品なら、オーバーホール代金+『パーツ交換費』

アンティーク時計は、オーバーホール代金+『パーツ修正料金』(新設)

追加コストの名目を特別料金化することで、それまでアンティーク時計のオーバーホール作業コストにのしかかっていた過大な分を切り離し、現行品時計を修理する場合と比べて著しく不平等だった実態を解決させていただくことといたします。

アトリエ・ドゥでは、ご利用されるユーザ様に喜んでいただける仕事がしたいと常に願っております。価格が安ければ、それも当然うれしい事のひとつでしょう。ケースをピカピカに磨いて見た目がキレイになれば、それで喜んでもらえます。しかし、その裏で犠牲になっている作業があったとすればどうでしょうか。サビ取りなどは手抜きしようと思えばいくらでもできてしまいます。組み上がってしまえば外から見えません。ですから、やってもやらなくても手に入るお金が同じなら、やらなくなるのが人の性というものです。しかしそれでは時計はダメなのです。サビは落とさなければなりません。見えないから、分からないから、やらなくて良いのか。そういう前時代的な発想がはびこれば、時計修理という職業に対する信用は失墜すると考えます。(しかし、実態はそういう残念な修理をする人も決して少なくありません)その時だけ逃げても必ずツケは回ってきます。ならば、正直にありのままの実際の事情をオープンにして、コストが必要な理由を明確にしたいと思います。その上で、ご利用されるか否かは、まさにこれを読まれるユーザ自身のご判断にお任せをする次第です。

先日のライトポリッシュの有料化に引き続き、またまた料金値上げのお知らせとなってしまい、心苦しい限りです。しかし、サービスの根幹に関わる非常に重要なことですので、思い切った措置に踏み切ります。ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

創業開始から現在に至るまでに気づいたことや、たまっていたモヤモヤしたものがなくなってスッキリしました。

これで当面はしばらく値上げはしないつもりですので、何とぞご了承くださいませ。

アトリエ・ドゥ

ライトポリッシュ・コース有料化のお知らせ

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写真はフルポリッシュの作業のひとコマです。クロノグラフなど複雑な構造のケースをフルポリッシュするためには、プッシャーやリュウズのパイプなどを全部はずさないと研磨と再仕上げが不可能な場合があります。同様にライトポリッシュの場合であっても、フルポリッシュのように完全に分解せずマスキングテープなどを施して鏡面部分を研磨する際は、こういった複雑な形状だと実はかなり労力と手間がかかります。バフ研磨機を回せばその分の電気代もかかります。研磨剤も減ります。研磨布も消耗します。細かいようですが、タダではありません。これまではライトポリッシュにかかるコストは、オーバーホール費用込みのサービスとしてご提供してまいりました。

しかし、どうにも割に合わないことが判明いたしました。

ライトポリッシュの場合ですと、マスキング処理が必要なもの(メタルブレスレットで、鏡面とヘアラインが交互に入ったものなど)と、全く不必要なもの(革ベルトのもので、本体も全て鏡面のタイプなど)で、行程にかかる時間や手間が倍以上も違う事もあり、全て無料で提供することに限界を感じております。また、研磨をせず、洗浄のみをご選択されたユーザとの料金差別化という点でも、違和感を覚えておりました。

そこで、誠に勝手ながら今後は ライトポリッシュ・コースは一律 ¥1,000 に有料化 とさせていただきます。

また、フルポリッシュは従来通り¥5,000でのサービスご提供を行います。ただし、こちらの場合も、ケース・バイ・ケースで作業の難易度が異なるため、実施が難しいものや、フルポリッシュを行うために新たなパーツの交換が必要となるような場合(洗浄のみ/ライトポリッシュであれば本来必要ない作業)は、特別料金にて実施させていただくことにいたします。

個人的にはあまり研磨はおすすめいたしません。研磨すればするほど、地金は擦り減って、形は丸くなります。小さくなります。そしてやがて研磨不可能なサイズになって見栄えのしないものになります。洗浄のみでお使いいただくほうが、使い込むほどに年月に相応の風格のようなものがでてきます。飴色に焼けた文字盤や針が良く似合います。例えばアンティーク品やヴィンテージ品は、ケースだけをピカピカにしたところで、何となくしっくりきません。もちろん現行品で実用している時計は、普段使うものだからキレイにしておきたい、という需要もあるでしょう。それは理解しております。研磨は趣味の良さがキーワードだと思います。なんでもかんでもとにかく磨く、というスタンスからは一線を画したサービスのご提案でもあります。

以上、みなさまのご理解を賜りますよう何とぞよろしくお願い申し上げます。

アトリエ・ドゥ