オーバーホールに含まれる作業について


このページでは、アトリエ・ドゥでの『オーバーホール』作業内容に含まれるものについて説明しています。このページに記載のない作業は『特別料金』によりお引き受けできる場合がありますので、個別にお問い合わせください。(例をいくつか引用しています)


オーバーホール作業内容一覧

《外装パーツ》

  • ダイアル(文字盤)の清掃
  • 針の清掃

《内部ムーブメント》

  • パーツの分解洗浄および組立注油
  • 歯車の振れ取り
  • 輪列の穴石調整/穴詰め
  • アンクル(脱進器)の調整
  • テンプ(調速機)の調整
  • カレンダーやクロノグラフ等の付加機構の調整

 

特別料金となる追加サービス事例

  • サビの除去等やパーツ修正 ¥ 10,000〜
  • 天真の交換 ¥10,000〜
  • 壊されたパーツの修復など ¥10,000〜
  • その他、外装パーツなど(風防/針/文字盤)の交換 ¥時価

 


《外装パーツについて》

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ダイアル

ダイアル(文字盤)は表面を軽くブラッシングまたはチリ拭きなどで容易に除去できるゴミのみ取り除きます。母材の真鍮が劣化したために変色したものや、表面の変形/変色したもの、および表面の塗装が剥落を起こしているものは、そのままとします。ダイアル・リダンも当工房では承っておりません。

針についても基本的な取り扱いは、ダイアルと同じとなります。表面の油汚れなど、容易にかつ確実に除去可能と判断したものは手入れをさせていただく場合がありますが、小傷の除去や研磨などは行っておりません。夜光塗料の入れ直しや汎用品の針交換などは別料金となります。

風防/ベゼル/ケースおよびブレスレットなど

外装パーツのうち、ダイアルや針などをのぞく外部すべて(手で触れる部分)の扱いは、外装研磨サービスの選択状況に応じて異なります。研磨を希望せず洗浄のみのプランの場合は、基本的にこれらのパーツの分解は必要最小限とし、現状の維持に努めます。例えば、回転式のベゼルなどは洗浄のみプランでは分解や修理などを行いません。(モノによるのですが、ブランドによっては分解不可の構造であったり、固有パーツのため修理できないことが大半のため)逆にフルポリッシュを行う場合は、ベゼルや風防・プッシャーなど全て分解する必要があります。なかには分解や再組み立てを前提にしていない作りっ放しの構造などもあります。そういう時計をフルポリッシュする場合は、新しいパーツが取り寄せ可能であれば実施できますが、パーツが入手できないものでは研磨サービスそのものをお断りさせていただく場合があります。ケースバイケースになりますので、これら外装の扱いについての詳細は、個別にお問い合わせください。


《内部ムーブメントについて》

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  • パーツの分解洗浄および組立注油
  • 歯車の振れ取り
  • 輪列の穴石調整/穴詰め
  • アンクル(脱進器)の調整
  • テンプ(調速機)の調整
  • カレンダーやクロノグラフ等の付加機構の調整

各項目の詳しい作業内容の様子は、サービス事例集のページをご参照ください。

基本的にはパーツの交換をせずに継続利用できる場合は、オーバーホール料金に必要な作業は全て入っております。パーツの交換で済む場合は、別途パーツ代金が加算されます。ただし、交換に複雑な作業や調整を伴うパーツの場合や、サビ除去・パーツ修正の必要がある場合、上記作業で対応できないような特別なリクエストをご希望される場合は、『特別料金』にて実施させていただきます。(実施可否はケース・バイ・ケースとなり、必ずしもご期待に添いかねることもございます。)

以下に実施可能な事例についてご紹介します。お客様にて持込みのパーツに交換する場合や、作業に時間を要する場合、高度な技術を駆使するためリスクを伴う作業などが対象となります。


《特別料金となる追加サービス事例》

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サビの除去

時計の内部に水や湿気が入り込んだために、ケース内部やパーツなどに錆が生じている場合や、ホゾの摩耗が激しくパーツの交換ができない場合は、錆を除去したりパーツを補修するなどの修正をして再利用します。

これにはたいへんな労力と時間を要します。そのため、オーバーホール料金に加えて特別料金として錆取りを含むパーツ修正料金をいただきます。

60年代〜70年代ごろに製造された時計など、古いアンティーク時計では内部にサビが生じていることが非常に多いため、そういう時計をオーバーホールする場合にはこの料金が追加されるものとお考えください。特にオークションなどで入手して過去の利用・整備歴が不明な場合はほぼ適用対象となります。

特別料金:サビの除去およびパーツ補修 ¥10,000〜

パーツ交換によりパーツ補修を免れるアンティーク事例はこちら

サビの除去およびパーツ補修の特別料金が適用される事例はこちら


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天真の交換

テンプ(調速機)は時計の精度に与える影響が最も大きな割合を占めるパーツです。テンプの天真のホゾの径はわずか0.06〜0.09mm程度しかないため、耐震装置のない懐中時計の時代には落下の衝撃などにより容易に変形したり折れたりしていました。耐震装置の付加された現代の機械式時計ではめったにホゾが折れることはなくなったものの、経年の劣化による摩耗などによって期待される性能が発揮できなくなっている場合があります。そうした時にはテンプ一式をパーツ交換するのもひとつの方法ですが、これだと多額の費用(ブランドによりますが5万円以上のものも少なくありません)がかかるため、天真の部分だけを新しく交換するのが経済的な選択肢です。古いアンティーク時計ではそもそも交換用テンプのパーツがないため、実際的にも天真交換で修理する事例が多くなります。

ただし、テンプ一式を交換する場合と比べ、天真のみを交換するのは格段に難易度の高い技術が要求されます。このため特別料金扱いとなっております。

天真交換を実際に行ったオーバーホール事例はこちらをご覧下さい

特別料金:天真交換(持込み含む) ¥10,000〜


壊されたパーツの修復 

過去に行われた修理の内容に問題があって、パーツが故意に改造されていたり、壊されていたりする場合があります。どうにか動作はするものの、動きがおかしかったり、他のパーツに影響して時計の寿命を縮める原因となっていたり、様々な弊害をもたらします。こういう本来のオリジナル・パーツでなくなったものを直すということは、新しくパーツを作り直すことと同じか、それ以上に高度な技術とノウハウが必要になります。なぜならメーカーには技術資料がありますが、何も情報がない中で現物の状況だけを頼りに正しい寸法で加工を行うことは、極めて困難なことであるからです。修理というよりも、修復の範疇に入る内容となることも多く、ただの手馴れで分解掃除ができるだけの職人には、もはや手も足も出ません。WOSTEPの優れたウォッチメーカー養成プログラムをベースに、時計理論に関する体系的な知識と、トレーニングにより培った加工技術、さらに何よりも時計に対する敬意と修復の情熱がなければ成功は覚束ないものとなるでしょう。

(該当するオーバーホール事例は現在のところまだありません)

特別料金:XXXXの修復プロジェクト ¥10,000〜