ROLEX: DateJust Ref.16234 (cal.3135)

ロレックス・デイトジャスト

dj3135-12ロレックスのデイトジャストが最近遅れるようになったとのことで、オーバーホールのご依頼です。外装研磨サービスは洗浄のみです。

 

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分解前の測定でも遅れが確認できます。ちょうどオーバーホール時期のサインです。

 

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全てのパーツを分解して、洗浄が完了したところ。パーツはほとんど摩耗が見られず、とても良い状態でした。

 

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まず地板にテンプだけを組んで調整します。あらゆる角度からひげぜんまいやバランスの状態が見やすく、おかしな部分があれば修正をします。

 

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ひげぜんまいは、次の2点を同時に満たすことが重要です。

  1. 天真に対して90°直行するフラットな水平ラインを保つこと(写真上)
  2. 内端中心から外端に至るまでどの部分も同じ幅であること(写真下)

それぞれをフラット、中心、と略して呼んでいます。時計を長く使ううちに、ひげぜんまいの中心がズレてきたり、フラットでなくブレが出てきたりします。これを時計師の技によってフラットと中心を理想的な状態に修正します。

 

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香箱のゼンマイも取り出して洗浄し、巻き直した上で注油を行ないます。

 

ムーブメント本体を組み立てていきます。輪列の歯車が組みあがっていくようす。

 

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脱進器と調速機まで組んで、ベースムーブメントの完成です。各パーツに注油も済んでいます。油の寿命はせいぜい長くて5年です。その期間を超えて使い続けると、パーツは摩耗によるダメージが進みます。

 

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ベースムーブメントの測定です。

左上)文字盤上 振り角 302° ビートエラー0.0ms +004 sec/day

右上)文字盤下 振り角 299° ビートエラー0.0ms +004 sec/day

左下) 3時下  振り角 272° ビートエラー0.1ms +002 sec/day

右下)12時下  振り角 261° ビートエラー0.0ms +003 sec/day

分解前にわずかに遅れていた姿勢もオーバーホールにより回復しました。

 

ベースムーブメントが良好のため、カレンダー(瞬間送り)機構と、文字盤/剣付けまで進みます。剣付けは、秒針/分針/時針の高さと間隔が等しくなるように付けます。どの時刻で重なっても同じ幅を保っているか、入念にチェックします。

 

ケーシングまで進み、自動巻ブロックとシースルーの裏蓋まで取り付けました。この裏蓋はいわゆるアフターマーケット品(社外品)で、真正品ではありません。ロレックスの正規サービスセンターでは修理受付されないでしょう。当工房では中身が本物のムーブメントであるならロレックスとして対応いたします。

 

最終特性

左上)文字盤上 振り角 294° ビートエラー0.1ms +005 sec/day

右上)文字盤下 振り角 291° ビートエラー0.1ms +005 sec/day

左下1) 3時下 振り角 272° ビートエラー0.0ms +002 sec/day

左下2)12時下 振り角 265° ビートエラー0.0ms +004 sec/day

右下3) 3時上 振り角 261° ビートエラー0.2ms +005 sec/day

右下4)12時上 振り角 269° ビートエラー0.1ms +004 sec/day

歩度は+002から+005まで、全姿勢差Δ3秒という素晴らしい特性です。

ロレックスのキャリバー cal.3135 は、歴代の機械式時計の中でも突出した性能を誇ります。他のブランドと異なる長所として、製造から長い年月が経っても性能がくずれにくい点は、特筆に値します。傑作ムーブメントのひとつと言ってもよいでしょう。

本機はA製番(1999年製)でしたが、オーバーホール・メンテナンスの実施により、新品の製造時とほとんど変わらない性能にまで回復しました。

 

完成

今回のサービス料金:オーバーホール(自動巻き) ¥20,000

外装研磨サービス:洗浄のみ

 

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