コロナ禍で

お久しぶりです。世の中たいへんな状況ですが、工房は何事もなく営業を続けております。客足が激減しているのは例外ではありません。不景気を肌で実感しております。

ウチを使ってくださるお客様は、過去にご利用になったリピーターのかたがほとんどになりました。中には心配してメッセージがてら時計のメンテナンスをお申し込みになるお客様もおられます。たいへん有難う存じます。もう、この頃はそれだけが仕事を続けていられる理由になりつつあります。

去年にサイトをリニューアルして、方針を変えたばかりなのですが、どうもここに来てさらなる変革の時を迎えたように感じております。なにしろパーツが手に入りません。全くではないのですが、極端に入手経路が限られてきました。かつ、ETAなど汎用機かロレックスやオメガのようにメジャーな機械のパーツに絞られてきました。空を仰ぎみる思いです。(航空機をめっきり見かけません)

景気の後退は今後も避けられそうになく、ますます懐が寂しくなると思われます。これまでのように趣味に投じる余裕はさらに厳しくなりそうだと思います。総合的に判断しますに、現状のサービスのやり方で店の継続は無理だと考えます。

工房も今年で5年目になりますが、どうやらお客様には2タイプの方がおられることが分かってきました。その2つとは、、。

  • 『壊れる前に定期的にメンテナンスに出す』
  • 『壊れてから修理に出す』

この2パターンのどちらかです。気づいてしまいました。前者のお客様はオーバーホールのみで済むことがほとんどで、パーツの交換は必要ないことが9割以上です。後者は全く逆で、オーバーホールのみではどうにもならず、十中八九パーツ交換がついて回るという事実を。

そして、漠然と店を構えて「時計修理」とだけ謳っておりますと、「この店なら直してくれるかも知れない」という期待値だけで、実態をよく把握・検討なさらずに、とにかく猫も杓子もガンガンおいでになるということを。

リピーターになってくださるお客様は圧倒的に前者です。後者のお客様は言葉は少しアレですが、1回こっきりで懲りたのか失望されたのか、いずれにせよ戻って来ない。そういう方々に限って、ボロボロの中古品のとりわけ面倒くさい案件ばかり持ち込まれる。一生懸命に技術を駆使して、どうだとばかりドヤ顔のつもりが、お金さえ払えば用はなしとばかりにその後は礼も感想も何もない。元々簡単に直るとでも思っているのか、ウチでなきゃ絶対やらないようなサービスをしてあげても反応が何もない。そういう人ばかり。全精力を費やして今後も取り組むべきなのか。

もうそんなことに神経すり減らすのが正直嫌になりました。

これからはいつも当工房を使ってくださるお客様に最高のサービスをしたい。1回だけの関係で消えてしまう方にサービス料金以上の仕事をするのは馬鹿馬鹿しくなった。でも、その位の意気込みでなきゃ直らんのですよ。『壊れてから修理に出す』タイプの人間が持ってくる時計は。

みなさまご存知ないんだ。壊れたって簡単に安く直るもんだと勘違いされている方ばかり。そういう人相手にまともに商売できっこない。時計のパーツが歯車ひとつで何万円とか理解できない。(じゃあどうしてその時計の定価は受け入れられるのか?)正規サービスセンターで10万円以上の修理をウチが同じことやってもぼったくりだと思われる。なら、もうやめよう。

オーバーホール料金ぽっきり。パーツ交換なし。

パーツ交換の必要なやつはやらない。(訳のよく分かった弁えのあるお客様のためには【すべておまかせコース】を残しておく)

究極の『オーバーホール専門店』になる。それっきりやらない。

さてさて、、、この構想のゆくえや如何に。

近日中に再びリニューアルにてトップページを刷新するかも知れません。

【5月12日追記】

パーツ交換やめました。

正確にはパーツ交換費用をオーバーホール料金と別途に請求せず、オーバーホール費用に組み込む形とさせていただきます。実質的な大幅値下げ断行です。かわりにパーツ交換費用がかさんで赤字になるような時計はもうやらない、ということです。

オーバーホール費用ポッキリコミコミ価格です。

アトリエ・ドゥの生き残りをかけた(?)コンプリート風サービスに路線変更です。正規メーカーのように手厚くはできません。その代わり破格の安さが売りです。保証期間の1年持ちそうなものは、サビでも摩耗でもとりあえずなんとか補修でしのいで継続利用します。何年かして再び当工房でまた顔を合わせるようなときは、パーツ交換が必要になるギリギリまで様子みて、ダメなら潔く交換させていただきます。もちろん費用は当工房持ちです。リピーターのお客様ほど得をするシステムにします。

きちんと定期的にメンテナンスして時計を大切にされる方に最適化したサービスにします。ボロボロに使い倒して壊れてから修理にお出しになる方、おとなしくメーカー直営の正規サービスセンターでそれなりの費用払って修理なさってください。残念ですが、もう当工房のような弱小零細企業では対応できません。

機械式時計のコアなファンの方。共に厄災を乗り越えましょう。

今後ともアトリエ・ドゥをよろしくお願い申し上げます。